介護事業を運営していると、避けて通れないのが「人を雇うタイミング」の見極めです。
私は訪問看護、福祉用具、デイサービスなどを運営している中で、サービスごとに「人を入れる判断のポイント」がまったく違うと感じてきました。
この記事では、現場で得たリアルな気づきをもとに、それぞれの事業でスタッフを増やすときの特徴と注意点をお伝えします。
【1】福祉用具|育成には“時間”がかかる投資型
福祉用具スタッフを雇う際に特に意識すべきなのは、「すぐには売上につながらない」点です。
福祉用具の契約単価は低く、売上を確保するには一定数の案件(件数)を積み上げる必要があります。さらに、その案件を獲得するには、地域のケアマネジャーさんとの信頼関係が前提です。
これには時間がかかり、1年たっても自分の給料分を稼げていないスタッフも珍しくありません。したがって、福祉用具事業における人材採用は、即戦力ではなく、将来への投資としての視点が求められます。
【2】訪問看護|即戦力になるが、売上の浮き沈みに注意
訪問看護の場合は状況がまったく異なります。サービス1件あたりの単価が高く、利用者が確保できていれば、新たに雇用した看護師の給与は比較的早く回収可能です。
しかし、ここで注意が必要なのは、急な利用停止や入院、逝去によってサービスが突然ゼロになる可能性があるという点です。毎日訪問していた利用者がいなくなると、売上は数十万円単位で減少します。
つまり、訪問看護の採用判断は「今は仕事があるから雇おう」ではなく、将来的な需要の予測とリスク分散を踏まえた判断が不可欠です。
【3】デイサービス・訪問介護|「読み」が重要な領域
デイサービスや訪問介護は、利用者数に応じて人員を調整する業態です。
しかし、「そろそろ人手が足りないから採用しよう」と思ったタイミングで利用者の入院や退所が発生することも多く、結果的に人員が過剰になるリスクがあります。
つまり、必要人数の波をどう読むか、サービス需要の「ピークと谷」をどう見極めるかが大きなカギとなります。
【結論】「人を雇う」は戦略の一部。焦らず見極めを
介護業界では「人材不足」が大きな課題として語られがちですが、単に「人が足りないから雇う」だけでは事業は安定しません。
福祉用具は育成型、訪問看護は即戦力型だけど浮き沈みが激しい、デイや訪問介護は読みが大事——事業の特性に合わせた人員戦略が必要です。
これから事業を始める方や、今まさに採用を検討している経営者の方には、ぜひこの視点を持っていただきたいと思います。
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