この記事を開いてくださり、ありがとうございます。
今回は、私が福祉用具専門相談員として初めてケアマネージャーと同行し、利用者さんのご自宅で現地調査をした時の経験をもとに、「現場対応のポイント」についてお話しします。
■ ケアマネと同行する“現地調査”とは
現地調査とは、要介護認定を受けた方がこれから在宅生活を送るにあたり、どのような環境整備や支援が必要かを見極める重要な機会です。
ケアマネージャーはケアプラン作成のため、そして福祉用具専門相談員は、住環境や身体状況に合わせて最適な用具を提案するため、現場に足を運びます。
このときの立ち振る舞いや提案の仕方が、ケアマネージャーとの信頼関係に直結することを、私は現地で痛感しました。
■ 「手すりひとつ」にも提案のセンスが問われる
あるご自宅では、玄関に段差があり、手すりの設置が必要とされました。
その際に考えられる選択肢は2つです。
- レンタル用の手すりを設置する(福祉用具貸与)
- 住宅改修による手すりの取り付け
いずれも介護保険の適用範囲内ですが、ここで重要なのは「どちらがベストか」ではなく、どの選択が“その場”にとって最適かという視点です。
■ 住宅改修という選択が持つ“隠れたコスト”
住宅改修(※要注釈:手すりや段差解消など、自宅を介護向けに改装する制度)は、一見して“しっかりしていて安心”と思われるかもしれません。
しかし、住宅改修を選択した場合、ケアマネージャーには「住宅改修の理由書」という追加書類の作成義務が発生します。
これはケアマネの裁量に任されている部分が大きいのですが、この業務に対して特別な報酬があるわけではありません。つまり、見返りのない作業負担だけが増える形になってしまうのです。
■ 現場で求められるのは「気づき」と「気配り」
現場で安易に「住宅改修のほうがいいですね」と言ってしまうと、ケアマネージャーから「あ、この人は現場の事情をわかっていないな」と思われかねません。
ここで必要なのは、“提案の幅”を持つことです。
たとえば:
- 「レンタルの手すりでも安全性が確保できます」
- 「仮に住宅改修を検討する場合は、手間の面も考えて一緒に資料作成をサポートしますよ」
といった、関係者全体に配慮した発言ができるかどうかで、信頼度が大きく変わってきます。
■ ケアマネとの関係性は現場の空気で築かれる
ケアマネージャーにもさまざまなタイプがいます。
- 事務処理が得意で細かいことにも前向きな方
- とにかくスピード重視で、手間が増えることを嫌う方
- 利用者さんとの関係性を何より大切にする方
その空気感を読み取りながら、「この方だったらこの提案が合いそうだな」と柔軟に対応していくことが、福祉用具専門相談員としての信頼につながります。
■ まとめ:提案は「正解」ではなく「最適解」
現場で学んだ最大の教訓は、「自分が正しいと思う提案が、必ずしも現場の最適解ではない」ということです。
福祉用具の提案は、利用者さんの安全やQOL(生活の質)を支える大切な役割である一方で、ケアマネジャーや他事業者との連携が不可欠です。
だからこそ、
・関係者の業務負担
・手続きの実際の流れ
・利用者さんと家族のニーズ
これらをしっかり把握しながら、「配慮ある提案」ができるようになると、現場での信頼も確実に積み上がっていきます。
📌 この記事を読んでこんな疑問はありませんか?
- 「実際に住宅改修とレンタル、どっちを選ぶケースが多いの?」
- 「ケアマネさんとの連携で失敗しないために注意することは?」
- 「書類作成を手伝うって、どこまでやっていいの?」
そんな疑問があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
✅ 個別無料相談はこちら → https://forms.gle/SEHLRDBEjQq4mZYF7
✅ LINEでのご相談はこちら → https://lin.ee/inTHLxh
(現場対応のコツや、職場内での調整の悩みもOKです!)
コメント