福祉用具のレンタル・販売に関わる事業所では、利用者様のご逝去後、用具の回収に伺う場面は決して珍しくありません。この瞬間は、単なる“業務の完了”ではなく、事業所としての「最後の接遇」が問われる重要な時間です。
ご家族との最後の接点、それは“企業姿勢”の象徴でもある
利用者様がお亡くなりになった後、私たち福祉用具のスタッフがご自宅へ伺うと、ご家族と対面し、回収作業にあたることになります。
このとき、どんな言葉を選ぶか、どんな所作を見せるか──それはすべて、ご家族にとって「その事業所の印象」として残るものです。
「この度はご愁傷様でございます」と言いながら、どこか言い慣れず曖昧になってしまう……そんな経験をしたことがある方も少なくないのではないでしょうか。
しかし、この最終場面での対応こそ、事業所の信頼性・人間性が試される場だと私は感じています。
私が実践している、ささやかな“最後の所作”
私が心がけているのは、ご自宅で仏壇や祭壇が見えた際には、必ず「お線香をあげさせていただく」ことです。
この行為自体に、売上や営業効果が直結することはありません。むしろ、何か特別なサービスでもありません。
けれど、ご家族の前で静かに手を合わせ、お線香をあげる姿を見せるだけで、空気が変わります。
「ありがとうございます」とご家族が声をかけてくださる。
その一言に、誠意が届いた実感があります。
これは、ただの“気遣い”ではなく、最後までご家族と向き合う「接遇」であり、企業としてのスタンスの表れです。
“人の死を営業には使わない”──けれど、人間らしい誠意は伝わる
もちろん、故人を悼む場で何かを売り込むわけではありません。
でも、ご家族が「この事業所と最後まで付き合ってよかった」と感じてくだされば、それは結果として、次のご縁につながることもあります。
親戚や知人に「ここの福祉用具屋さん、最後まで丁寧だったよ」と紹介してくださることも、実際に何度も経験してきました。
最期の場面こそ、未来の信頼の種になる。そう信じて、私は「玄関を出るその瞬間まで」を仕事と考えています。
スタッフ教育にも“最後の所作”を──接遇マナーの一環として
こうした対応は、スタッフによって差が出やすい部分でもあります。だからこそ、事業所として「最後の所作」のあり方を共有し、接遇教育の一部として位置づけることが重要です。
たとえば…
- 仏壇・祭壇がある場合のお線香の所作
- ご家族への言葉がけの基本
- 退出時のお辞儀・声かけ
こうした一つひとつが、事業所の価値を高める“無形のサービス”です。
現場対応の中でも「最後まで気を抜かない」意識が、結果として紹介・リピート・口コミにつながっていく。これは福祉用具業界でもっと共有されていい視点だと私は思います。
もし、こうした対応について…
- 「スタッフにどう伝えればいいか分からない」
- 「事業所としてマニュアル化したい」
- 「現場スタッフの接遇研修を検討している」
というお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。現場視点での具体的な対応例も含めてアドバイスさせていただきます。
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