福祉用具事業所の価格競争について考える|価格設定の見直しと経営戦略

介護経営

1. はじめに

福祉用具のレンタル事業を運営していると、価格競争に巻き込まれることが多くあります。特に、数年前の介護保険の法改正によって上限価格が設定されたことで、自由な価格設定が難しくなりました。その中で、どのように価格戦略を立て、利益を確保しながら顧客に選ばれる事業所を目指すのかが重要になります。

本記事では、福祉用具事業所の価格設定のポイントと、価格競争に巻き込まれずに利益を確保するための戦略について解説します。

2. 介護保険における福祉用具の価格設定

2-1. 価格の上限設定とは?

福祉用具のレンタルには、厚生労働省が定めた「上限価格」があります。これは、特定の福祉用具に対して「これ以上の価格で提供してはいけない」とするものです。

以前は事業所ごとに自由に価格設定が可能でしたが、現在は上限価格内での価格設定が義務付けられています。そのため、事業所が利益を確保するためには、単なる値下げ競争ではなく、価格の適正化や付加価値の提供が求められます。

2-2. 介護保険の単位数とは?

介護保険では、価格設定を「単位数」で表します。例えば:

  • 1,000円の商品 → 100単位(1単位=10円)
  • 3,000円の商品 → 300単位
  • 3,500円の商品 → 350単位

利用者の自己負担額は、基本的に1割(要介護度により異なる場合あり)なので、

  • 3,000円の商品では 自己負担額300円
  • 3,500円の商品では 自己負担額350円

となります。50円の差であれば、価格だけで事業所を選ぶのではなく、サービスの質や対応力が重要視されることが分かります。

3. 価格競争に巻き込まれないための戦略

3-1. 無理な値下げ競争をしない

価格を下げることで顧客を獲得しようとすると、利益率が下がり、事業の継続が難しくなります。特に、福祉用具事業は人件費や維持管理費がかかるため、価格を下げすぎると経営を圧迫する要因となります。

3-2. 「価格よりも信頼」を重視する営業スタイル

顧客に「この事業所なら安心して任せられる」と思ってもらうことが重要です。そのために: ✅ 迅速な対応 → 電話やトラブル時のレスポンスを早くする。
普段からの対応→ 電話対応や何を求めているかのニーズの把握
顧客満足度の向上 → お客様に対しての失礼のない対応や安心できる行動

3-3. 価格設定を安くなりすぎないように

市場の状況や競合の価格を定期的に調査し、適切な価格を設定することも重要です。過剰に価格を下げるのではなく、適正価格の範囲で価値を提供できるようにしましょう。

3-4. 差別化を図るサービスを提供する

単に福祉用具を貸し出すだけではなく、他の事業所との差別化を図ることも重要です。

  • 提案力を高める → ケアマネージャーと連携し、利用者に最適な福祉用具を提案。
  • アフターサポートの充実 → 定期訪問やメンテナンスの充実。
  • 専門知識の提供 → 利用者や家族に福祉用具の適切な使用方法を説明。

4. まとめ

福祉用具の価格競争に巻き込まれないためには、無理な値下げを避け、サービスの質を向上させることが大切です。

本日のポイント

✅ 無理な値下げ競争をせず、適正価格で提供する。
✅ 価格ではなく「信頼」を得る営業スタイルを確立する。
✅ 顧客満足度を高め、ケアマネージャーの信頼を獲得しリピーターを増やす。
✅ 差別化を図るサービスを提供し、他事業所と差をつける。

価格を下げることに焦点を当てるのではなく、「どうすれば選ばれる事業所になるか?」を考え、長期的に経営できる体制を築いていきましょう。

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