介護施設にとって「入居率の安定」は経営の大きな柱の一つです。そのためには、地域のケアマネジャーや病院のソーシャルワーカー(SW)との関係づくりが欠かせません。中でも、今回は「ソーシャルワーカーからの紹介が次につながるための入居後フォロー」について、実体験をもとにお話しします。
なぜソーシャルワーカーからの紹介が重要なのか?
医療機関に入院されている高齢者が退院する際、行き先として検討されるのが老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの介護施設です。その際、退院支援を担当しているソーシャルワーカーが「どの施設に紹介するか」を判断します。
つまり、ソーシャルワーカーとの信頼関係があるかどうかで、“紹介されるかどうか”が大きく左右されるというわけです。実際、ある地域では紹介経路の約7割が病院から、というケースもあり、介護施設の稼働率に直結します。
入居後の“ひと手間”が信頼構築のカギ
では、どうやってその信頼を築くか?
私たちが実践しているのは、「入居後の様子を、紹介元であるソーシャルワーカーに丁寧にお知らせする」というシンプルな取り組みです。
たとえば、以下のような報告をLINEやメールで送っています。
- 入居初日の写真とともに、「お元気にされています」と一言添える
- 数日後、「好きな紅茶を楽しんでおられます」と生活の中での様子を報告
- 短い動画で笑顔や安心した様子を共有
- 看護師や介護職からのコメントを一言入れる
このような小さな積み重ねが、「ここまで見せてくれるなら安心」と思っていただける理由になります。
ソーシャルワーカーの“心理”を理解する
ソーシャルワーカーは日々、患者様の今後の生活を真剣に考えています。そのため「紹介したその後」がどうなっているか、実はとても気にされています。しかし、現場の忙しさもあり、退院後の情報が届くことは少ないのが現実です。
だからこそ、「その後の様子を伝える」だけで、他の施設とは明確な差をつけることができるのです。
ある病院のSWさんからは、こんな声もいただきました。
「初めて紹介した施設で、こんなに丁寧にフォロー報告をもらえたのは初めてです。とても安心しました」
このようなやり取りがきっかけとなり、同じ病院からの紹介が数件続いたケースもあります。
報告の“質”が次の紹介を決める
もちろん、「報告すること」そのものが目的ではありません。大事なのは、**報告の“質”と“温度”**です。
単なる事務的な報告ではなく、
- 本人の心境が伝わる一言
- ご家族の表情や声
- 職員とのふれあいの瞬間
こういった、「人」が見える情報を届けることが、相手の心に残る報告になります。
これにより、「またお願いしたい」「あの施設なら安心」と、次の紹介につながる信頼が生まれるのです。
取り組みの効果と導入のポイント
この入居後フォローを始めてから、実感として紹介数が増加し、関係機関とのやり取りもスムーズになりました。
また、施設職員自身も「相手に報告する意識を持つ」ことで、日常のケアにも前向きな気づきが生まれています。結果として、利用者の満足度も向上し、スタッフのモチベーション維持にもつながっています。
導入のポイントとしては、
- 報告のフォーマットやテンプレートをあらかじめ準備しておく
- 写真・動画撮影は日常業務の中に自然に組み込む
- 情報提供の際は、プライバシー配慮を忘れずに
といった工夫が有効です。
実践に役立つ資料提供・個別相談も受付中!
「具体的にどう書けばいいの?」「報告のタイミングや頻度は?」など、現場での運用に関するご相談も受け付けています。ご希望があれば、実際に使っている報告文のサンプルやフォーマットもご提供可能です。
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