1. はじめに
訪問看護事業所を立ち上げたあと、「どこで売上を伸ばしていくか」は経営上の大きな課題になります。
本記事では、訪問看護事業所の主な売上の柱である「介護保険」と「医療保険」それぞれの特徴と違い、営業や業務フローの違いについて詳しく解説します。
2. 売上の2大柱:介護保険と医療保険
訪問看護の診療報酬を得るには、以下の2つの保険制度があります。
2-1. 介護保険での訪問看護
- 主に要介護認定を受けた方が対象。
- ケアマネージャーが作成したケアプランに基づいてサービスを提供。
- 介護保険で報酬を得るため、月単位での書類提出や実地指導への対応が必須。
- ケアマネージャーとの日常的な連携・報告が求められる。
2-2. 医療保険での訪問看護
- 特定疾患や医師の指示がある患者が対象。
- ドクターの指示書に基づき、訪問看護計画を実施。
- 報酬単価が高く、手続きも比較的シンプル。
- 実地指導も比較的緩やかで、事務的な負担が軽い傾向。
3. 医療保険での対象疾患【別表7・別表8】
医療保険で訪問看護が可能な疾患や条件は、厚労省の「別表7」「別表8」で定められています。
別表7の例:
- がん末期
- ALS(筋萎縮性側索硬化症)
- パーキンソン病
- 多系統萎縮症 など
別表8の例:
- 精神疾患(統合失調症など)
- 難病指定の患者
- 人工呼吸器使用中の方・・・など
このような患者様への対応ができると、医療保険での訪問看護が可能となります。
4. 実地指導の違い
● 介護保険の場合:
- 実地指導とは、行政が事業所へ訪問し、記録・計画・運営状況をチェックする制度。
- 書類の正確性や業務の整合性が厳しく確認される。
- 不備があった場合は、返還請求のリスクもあり。
● 医療保険の場合:
- 指導はあるが、比較的柔軟な対応。
- 書類負担が少なく、経営的には回しやすい。
5. 売上のアプローチ方法
保険区分 | 主なアプローチ先 | 特徴 |
---|---|---|
介護保険 | ケアマネージャー | 書類や連携が多いが安定したニーズ |
医療保険 | 医師、MSW、施設 | 単価が高く、連携がスムーズな場合が多い |
訪問看護のスタートアップでは、どちらを軸にするかによって営業の対象や進め方が大きく変わります。
6. まとめ
訪問看護事業所の経営においては、「介護保険」と「医療保険」それぞれの特徴をしっかりと理解し、戦略的に売上の柱を作ることが重要です。
どちらの保険で進めていくのかを明確にすることで、営業の効率化・業務のスリム化にもつながります。
ポイントまとめ
✅ 介護保険と医療保険ではアプローチ方法が異なる
✅ 医療保険は報酬単価が高く、書類負担も少なめ
✅ 実地指導の対応も見据えて方向性を決めることが重要
✅ 医療保険での対象疾患は「別表7・8」を確認
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