住宅改修工事の利益確保、できていますか?
福祉用具貸与事業所にとって、介護保険を活用した住宅改修は大切なサービスです。
利用者様が自宅で安全・快適に暮らすために、手すりの取り付けや段差の解消といった工事は欠かせません。
しかし実際には、住宅改修で利益を確保するのは簡単ではありません。
特に「手すり1~2本の取り付け」といった小規模工事の場合、
施工を外部の大工さんに依頼すると、1日の日当が発生してしまいます。
この日当制の仕組みでは、
介護保険で支給される「実際の工事費」よりも人件費のほうが高くつき、
結果的に赤字になるケースも珍しくありません。
なぜ住宅改修は利益が出にくいのか?
その理由は、制度設計にもあります。
介護保険の住宅改修費は、定められた単価の範囲内で支給されます。
例えば、手すり1本の設置なら材料費込みで数万円程度。
しかし外注の場合、職人さんの日当は2万円〜3万円が相場。
これでは、いくら誠実に仕事をしても利益が出ないのも無理はありません。
解決策:「自社施工」を始めた理由
そこで私が取り組んだのが、**「簡単な工事は自社スタッフで施工する」**という方法です。
最初は、大工さんの作業を何度も現場で見学し、
使う工具や取り付け手順を一つひとつ覚えていきました。
そして思い切って、自分自身で手すり取り付けにチャレンジ。
最初のころは水平が取れなかったり、下地を探すのに苦労したりと失敗もありましたが、
回数を重ねるうちに、標準的な設置作業なら問題なく対応できるようになりました。
この取り組みにより、1件あたり1万円~3万円程度のコスト削減が可能となり、
住宅改修事業の利益率が大幅に向上しました。
施工にあたって注意したこと
もちろん、誰でも簡単に施工できるわけではありません。
自社施工に踏み切る際には、以下のポイントに十分注意しました。
- 安全第一:手すりの強度・取り付け位置は特に重要。失敗すれば転倒事故につながります。
- 必要な工具をそろえる:インパクトドライバー、下地探知機、水準器など、最低限の設備投資は惜しまない。
- 施工記録を残す:取り付け位置や仕様を写真で記録し、トラブル防止につなげる。
特に安全性に関しては、利用者様の命を預かる仕事であるという自覚を持ち、
自信のない工事は必ず外注するルールを設けています。
手すり以外にもできる自社対応工事例
手すり設置以外にも、比較的簡単に自社対応できる工事があります。
- 段差解消用の踏み台設置
- 浴室入口の段差補修
- 転倒防止用マットの設置
- 滑り止めテープの施工
これらは技術的な難易度がそれほど高くなく、
研修や練習を重ねればスタッフでも対応できる可能性があります。
スタッフ育成のコツ
私は、自社施工を広げるために、スタッフにも技術指導を行いました。
- 初めはベテラン社員が横について一緒に作業
- 小さな成功体験(例:手すり1本だけ設置)を積ませる
- 作業マニュアルとチェックリストを整備する
最初から完璧を求めず、
「やってみる → 振り返る → 改善する」サイクルを大切にしました。
この仕組みによって、今ではチーム全体で簡単な住宅改修をこなせる体制が整っています。
まとめ:未来のために、今できる一歩を
住宅改修事業で利益を確保するためには、
「できることは自分たちでやる」という視点がとても大切です。
もちろんすべての工事を自社対応する必要はありませんが、
安全性を確保しながら、小規模工事からチャレンジしていくことで、
確実に事業の収益力を高めることができます。
これから住宅改修を本格的に取り組みたい方、
まずは「手すり1本から自社で取り付ける」ことを目標にしてみてはいかがでしょうか?
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たとえば…
- 「自社施工を始める時に揃えるべき道具は?」
- 「スタッフ育成でつまずかないコツは?」
など、お気軽にご相談ください
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