入居者がデイサービスに来てくれない──その背景と影響
住宅型有料老人ホームを運営していると、よくある課題のひとつが「入居者がデイサービスを利用してくれない」という問題です。
併設型の施設であれば、デイサービスの利用はそのまま運営収益に直結します。それ以上に、日中の健康管理や介護的ケアの多くはデイサービスの時間帯に実施されるため、入居者本人の生活の質(QOL)を保つ上でも必要不可欠です。
しかし、入居後に「本人が嫌がっていて…」「まだ慣れていないので…」と利用が始まらないケースが後を絶ちません。
この“ギャップ”は、どこから生まれるのか?
そしてどうすれば、入居と同時にスムーズなデイサービス利用につなげられるのか?
今回は、実際の現場経験をもとに整理してみます。
利用促進のカギは「内覧時の説明」にある
多くのご家族は、入居を検討する際にこう言います。
「安心して過ごせる場所があれば…」
「見守りがしっかりしているなら…」
つまり、ご家族の本音は「安全と安心を確保してほしい」ということ。
それにもかかわらず、「デイサービスは本人の希望で…」と部屋に閉じこもった生活が続くと、施設として適切な見守りも健康管理も難しくなります。
現場では、こういったリスクをふまえ、次のように明確にお伝えしています。
「もし日中をお部屋で過ごされる前提であれば、ご自宅での生活と変わりません。
安全を保ちたいというご意向なら、日中はデイサービスをご利用いただく必要があります。」
このように、**“入居=安心”ではなく、“日中の時間の使い方こそが安心を支える”**ということを明示することが大切です。
説明者の“質”が、利用率と売上を左右する
この説明を行うのは、主に相談員や施設長、もしくは内覧の担当スタッフです。
しかし、ここが曖昧だったり、口調が弱かったりすると、入居後に「聞いてなかった」「そんなに必要だと思わなかった」といったすれ違いが起こりやすくなります。
施設によっては、満床に近い状態でも収益が上がらない…というケースもありましたが、その多くは**「デイ利用率の低さ」が原因**でした。
つまり、「説明できる人がいない」ことが、経営に直結してしまうのです。
現場から見た“うまくいく施設”の共通点
うまく運営が回っている施設の特徴は、次のような点にあります:
- 内覧時に「デイ利用は前提である」ことを明確に伝えている
- ご家族の不安に寄り添いながら、“目的”と“手段”を丁寧に説明
- デイサービス側とも連携し、「安心して任せられる」空気感を作っている
- 説明者のトークが“納得”を生み出す内容になっている
このような対応ができている施設では、自然と入居後の流れがスムーズになり、本人の生活も安定し、経営面でもブレが出にくいという結果につながっています。
まとめ:施設の魅力は“説明力”で活かされる
どれだけ立派な設備やパンフレットがあっても、「説明する人」がその魅力を伝えられなければ意味がありません。
特に住宅型有料老人ホームのように、入居とデイサービス利用がセットで機能する仕組みでは、「説明力」がそのまま売上と安心の両方を左右するといっても過言ではありません。
「なぜ日中のデイ利用が必要なのか」を、ご家族と一緒に納得してスタートすること。
それが、入居者本人の満足度と、施設の経営安定に直結するポイントです。
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